長女の誕生日によせて

今日は長女の誕生日。
29年前の早朝、娘は生まれました。

病院は当時工事中で分娩室は
周りをカーテンで仕切られただけの
まるで野戦病院のような佇まいでした。
(次女の時は広い個室でした。)

隣の部屋で叫んでいる妊婦さんの
声を聞きながら、ひたすら
「ヒー、ヒー、フー」の呼吸法を
続けていました。
なぜなら頭のどこかで、母の
「お産の時に大声で騒ぐのはみっともない、
恥ずかしいこと」という言葉が
繰り返されていたので、
私の中の大和撫子が意地でも
大騒ぎせず、麻酔を頼むことなく
ただひたすら、呼吸法で痛みを逃す
ことに集中し、「立派なお産」を
して見せると決心していました。

助産婦さんがおくるみに包んだ娘を
私の胸の上に載せてくれました。
夫が「体重がどのくらいかわかる?」
と聞くので、「猫のドーラと同じぐらい?」
と答えると、夫は驚いて「すごーい、
ぴったりだ!7ポンド6オンス!」
(3447グラム!)

一番最初の子供というのは、親にとっては
子供というより、「戦友」のようなものです。
すべてのこのが初めてで、この子の成長に従って、
幼稚園、小学校、中学校、高校とその度ごとに、
入学手続き、先生やクラスメート、お稽古ごと、
学校の送り迎え、等々親は今まで経験したことの
ない領域へと挑戦していかなくてはなりません。

熱を出した、下痢をした、今度は便秘、おっぱいを
飲まない、寝ない、ベッドから落ちた!
日々の生活の全てが、子供中心になっていきました。

母親という大きな責任と経験を与えてくれた
娘、私たちを親として選んできてくれた娘
のために得意のロールケーキを焼きました。

結局一緒にお祝いするのは明日になりましたが、
今日は一人で、お祝いしています。

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