取り繕われた密室 4

white and blue ambulance van traveling on road

もどかしいやり取りにうんざりしていた私は、
「そんなごちゃごちゃ言ってないで、
さっさと部屋に行って確かめてくるだけじゃない!」
と心の中で毒づきながらも、待つことしかできない。

またバスが通り過ぎていった。

戻ってきたクリスティは私に「良くない状況よ。
救急車を呼んだわ。マットレスが外れていて、
意識がないみたい。」かつらの長い髪をかきあげながら
言った。
そして、可愛そうなあのゴスのお兄さんに「悪いけど
緊急事態だから、お部屋を見せることができないわ。
アポイントメントはまた後日連絡させてください。」
といっていた。

サイレンの音がして救急車が到着した。中から二人の
救急隊員が出てきてクリスティに話しかけた。

ちょうどその時、警察から電話が入った。
「先程から事態に変化がありましたか?」
何を今更。。。と思いながら「マネージャーに連絡を取り
いま救急車が到着しました。大丈夫です。ありがとう。」
私が電話してから2時間以上経っている。
まあ連絡があっただけでも良かったというものだろう。

救急職員のあとに続いて三階にあるアパートに向かった。
幅の広い階段を急いで登る。ずっと外で立っていた
私の膝がギシギシといっている。木製の階段も急いで上がる
二人の救急職員、クリスティと私の体重で音を立てている。

続く

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