もどかしいやり取りにうんざりしていた私は、
「そんなごちゃごちゃ言ってないで、
さっさと部屋に行って確かめてくるだけじゃない!」
と心の中で毒づきながらも、待つことしかできない。
またバスが通り過ぎていった。
戻ってきたクリスティは私に「良くない状況よ。
救急車を呼んだわ。マットレスが外れていて、
意識がないみたい。」かつらの長い髪をかきあげながら
言った。
そして、可愛そうなあのゴスのお兄さんに「悪いけど
緊急事態だから、お部屋を見せることができないわ。
アポイントメントはまた後日連絡させてください。」
といっていた。
サイレンの音がして救急車が到着した。中から二人の
救急隊員が出てきてクリスティに話しかけた。
ちょうどその時、警察から電話が入った。
「先程から事態に変化がありましたか?」
何を今更。。。と思いながら「マネージャーに連絡を取り
いま救急車が到着しました。大丈夫です。ありがとう。」
私が電話してから2時間以上経っている。
まあ連絡があっただけでも良かったというものだろう。
救急職員のあとに続いて三階にあるアパートに向かった。
幅の広い階段を急いで登る。ずっと外で立っていた
私の膝がギシギシといっている。木製の階段も急いで上がる
二人の救急職員、クリスティと私の体重で音を立てている。
続く
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