サンフランシスコ気質
サンフランシスコはヒッピーの発祥地、今でも「愛と平和」はこの街の代名詞。
その上、史上はじめてゲイの市長、ハービーミルクを輩出し、ギャビン二ユーサム旧市長は全米で多くの宗教と保守的な政治家を尻目に最初に同性の結婚許可証を発行し、トランプの公立の教育機関を廃止し、私立化することによって、お金持ちのみが良質な教育を受けられるようにするというとんでも無いことを言い始めたことに反発して、市立短期大学をサンフランシスコの市民は授業料を無料にしたり、とにかく幼稚園の子供でさえトランプが大嫌い!
サンフランシスコは市をあげてトランプの政策に抵抗し、永住権があろうがなかろうが、合法、無法滞在者を問わず、教育を受け、必要な医療を受けることができこと保障して居ます。
仕事
サンフランシスコ市職員としてのわたしの仕事は、サンフランシスコ市立短期大学の付属幼稚園と託児園の入学手続きをすることです。本校のオーシャンと分校のミッションセンター両校合わせて、120人近くの園児の入園手続きを一人でこなします。5月から8月いっぱいは忙しくて、今まで17年間、夏休みを経験していません。
当然、保護者たちに最初に面接し家族のことを詳しく訪ねることになります。トランプが大統領になってから、白人至上主義を振りかざし、メキシコ、中東の国々に対して大変厳しい入国管理を行い、学生や幼稚園児の家族にもそのしわ寄せがいっています。
学生たちの苦難ー離れ離れの家族
「夏休みになり次第、メキシコに行くから学校が始まるギリギリまで帰ってこないつもり。必要なことは電子メールで連絡してね。」と高らかに宣言して看護学科の2年生のジョバナは二人の子供を車に乗せて、サンフランシスコからメキシコを目指して、出発。3歳と、もうすぐ1歳半の子供達のお父さんは、10年以上アメリカに住み、アメリカ生まれのジョバナと正式に結婚しているのにも関わらず、トランプが大統領になった途端に、入国管理局の職員に連行され、メキシコに強制送還されてしまいました。
新しい学生の、マリア エレンはフィリピン人。メキシコ人の夫は、強制送還されないうちにメキシコに帰り、弁護士を通して、合法的にグリーンカード(永住権)を取得しようとしています。ビザが降りるのをもう2年もメキシコで待っています。4歳になる娘は、お父さんとはビデオ電話で会うだけで、抱っこも、高い高いもしてもらっていません。お母さんはパートで働きながら学校に通っていますが、彼女のお給料の大部分は弁護士の支払いに行ってしまいます。今できることは待つことだけ、ジョバナのように子供を連れて会いにゆくことはできません。何故ならマリア エレンは今度は、半分メキシコ人の娘がアメリカに再入国できなくなるのではないかと心配しています。
2歳半のザイードの両親はイエメン出身です。現在のイエメンは、長年にわたる戦争で、世界中で、最も危険な場所と言われています。お母さんは中学生の時にアメリカに渡りました。親戚同士の話し合いで、お見合い結婚をしました。トランプはイエメンを含む中東の国々からの移住を禁止したため、お父さんは、ジブチ共和国に移住し、ビザを申請しました。2年待って、移住禁止国であっても、夫婦、親子のみに限り、アメリカへの入国を認めるという特例が発令し、ついにビザが発行去りることになりました。その条件として、最低四カ国を経由して、アメリカに入国しなくてはいけないそうです。それなのに、ザイードのお父さんは、2年もあってないイエメンに住む自分のお母さんに一目会ってから、アメリカに来ると行っているそうですが、それはあまりに危険です。イエメンからきたらアメリカの空港で入国を拒否される可能性があるとみんなで反対しているそうです。
ミッションセンターの例
ミッションセンターはラテンアメリカからの生徒がほとんどで、幼稚園児も97パーセントがスペイン語を母国語とする家庭であり、たまたまそこに入学した中国人の子が、お家でスペイン語を話し始めて、同居している祖父母をおどろかせたという逸話のあるところです。
家族の半分以上はソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号)を持っていません。普通の仕事をするのには必要なものですが、これを持たない人々は、男性は日雇い、女性の多くはナニー(ベビーシッター)または掃除婦など保証のない仕事をするしかありません。中には何年もアメリカに住んでいながらほとんど英語が話せない人がたくさんいます。時には小学生の子供が家族の通訳の責任を負わされてしまいます。
単位はもらえませんが無料で英語やコンピューター(ワード、エクセル、パワーポイントなど)、高校卒業資格を取れるクラス、市民権取得などのクラスも提供しています。
ミッションセンターの校長のホルヘはよく受付のあたりに陣取り、全ての学生に入国管理局の職員に尋問を受けたときはどう答えるべきか、どこで法的なアドバイスを受けることが出来るのかというチラシを配布しています。
サンフランシスコは聖域
サンフランシスコはあらゆる住民の人権を尊重し、肌の色、宗教、出身国、性別、収入などにかかわらず、利益を受けることができる、聖域です。
ここに暮らして27年、サンフランシスコは理不尽な大統領に代表される、連邦の迫害に抵抗する、8.4キロ四方の自由の砦なのです。
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