クリスティが鍵を差し込みドアを開けた。
救急隊員がラテックス製の手袋をはめ、
色々道具が入っているらしいバッグを持って
部屋に入っていった。
私とクリスティと私は廊下に残された。
私は階段の最上段に座り込んだ。クリスティは
隣りに座って色々話しかけてくれた。
「私のお母さんは私が8歳の時になくなったのよ。」
間近で見ると肌の木目が粗くファンデーションが
まだらだ。ちゃんと下地クリームを塗ったらいいのに。
こんな状況でなんでこんなことを考えているんだ?
救急隊員が部屋から出てきて、女性のほうが私達に向かって
「残念ですが、すでにおなくなりになっています。
死因不明のため警察の検視官の出動を要請しました。
今から現場保全のため、入室を禁じます。私達は警察官が
到着するまでこちらで待機します。」と冷静な声で告げた。
すぐに搬送されなかったので半分諦めてはいたが、
実際に告げられると思っていた以上のショックだった。
自分が小さく叫んだのが聞こえた。えらく覚醒している自分と
取り乱している自分がいる。
続く
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