太極拳のクラス

毎週土曜日の朝は太極拳のクラスに行きます。

馬先生

先生の馬先生は中国生まれの、タイ育ち。77歳にして写真のように

左右開脚した上に30cm位ある段差もなんのその、

グニャーと前屈して地面に手がついてしまうくらい

体が柔らかいのです。

太極拳は50歳を超えてから習い始め、ドローレス公園で毎朝7時から

練習していたところを公園を散歩している人たちに請われるままに

教え始めて早27年以上、一切お金を受け取らず

時間のある人には練習の後に自宅の居間を解放し、

自分のスペシャルブレンドのコーヒーや手作りのバナナブレッドや

タイ風のスイーツを振る舞い、政治、宗教、人種差別、健康法、国際問題、

料理など、ありとあらゆる分野の話題で盛り上がり、

時にはファーマーズマーケットに繰り出すという、とてもユニークで

懐の深い先生です。

去年、15年ほど付き合って来たボーイフレンドと結婚しても、

一緒に住む事なく、同じ市内で別居結婚をしています。

二人とも、自分の生活を変える事なく、週に2、3日一緒に過ごします。

多分それが円満な理由だと当人たちもそう言っています。

太極拳との出会い

私がこのグループに参加したのは、タップダンスのせいでした。

タップダンスのクラスの先生が、タップに一番良いトレイニングは

太極拳だとクラスでおっしゃっていたので、

ずっと馬先生のクラスをとっていた友達に紹介してもらい、

太極拳を始めました。結局、タップダンスは途中で諦め、

太極拳だけが残りました。

先生がゲイのせいもあるかも知れませんが、集まる人はみんな

オープンマインドで革新的そして個性的な人たち。

故郷から遠く離れてサンフランシスコに住む私にとって

太極拳の友達は、第二の家族とも言えます。

今日のアフター太極拳

いつものようにクラスの後に先生のうちに集まりコーヒータイム。

ちなみに今日の話題は、仏教の教えについてと家を人に貸すときの

注意点。

生徒の二人が旬のアメリカンチェリーを持って来て、

他の人が太極拳の練習に使っているゴールデンゲートパークに自生している

ブラックベリーを摘んで来たり、先生のおうちの冷蔵庫からアンデスメロンが供出され、

テーブルに色を添え、その上、深ーい仏教の話。

先生がインドに旅して、仏教のお話に出てくる聖者の家や、歴史的遺跡を

訪れた時の話をして下さいました。

馬先生の仏教観

タイの男性は必ずお坊さんの修行をしなくてはならないそうですが、

先生は、ある日仏像の前に座り、素敵な男性に巡り会わせてくださいと

お祈りしたそうです。

仏教では、同性愛が罪だとか不道徳だとかはどこにもないそうです。

あらゆる人を慈悲の心で受け入れる仏の道に人をセクシャリティーで

分ける思想はないと馬先生はおっしゃいました。

実際、先生とパートナーはゲイの仏教の研究会で知り合ったそうですが、

ユダヤ人のパートナーさんは、ゲイであることの罪悪感、自分に正直でありたいと

奥さんと離婚したことに対する罪悪感とで意見がぶつかることがあるそうです。

ずっとゲイ一筋で生きてきた先生と、ストレートとして結婚し、子供を持った

パートナーさんでは、全く違う人生でのチャレンジがあり、それを乗り越えて、

結婚した二人。

17年間もほとんど毎週土曜日、太極拳を続けてこれたのは、まさに

馬先生の魅力と、楽しい仲間たちとの絆のおかげだと思います。

 

 

 

 

 

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