取り繕われた密室 5

person using disposable syringe put specimen on blue and white glucose meter

クリスティが鍵を差し込みドアを開けた。
救急隊員がラテックス製の手袋をはめ、
色々道具が入っているらしいバッグを持って
部屋に入っていった。

brown and black calvin klein perfume bottle私とクリスティと私は廊下に残された。
私は階段の最上段に座り込んだ。クリスティは
隣りに座って色々話しかけてくれた。
「私のお母さんは私が8歳の時になくなったのよ。」
間近で見ると肌の木目が粗くファンデーションが
まだらだ。ちゃんと下地クリームを塗ったらいいのに。
こんな状況でなんでこんなことを考えているんだ?

救急隊員が部屋から出てきて、女性のほうが私達に向かって
「残念ですが、すでにおなくなりになっています。
死因不明のため警察の検視官の出動を要請しました。
今から現場保全のため、入室を禁じます。私達は警察官が
到着するまでこちらで待機します。」と冷静な声で告げた。

すぐに搬送されなかったので半分諦めてはいたが、
実際に告げられると思っていた以上のショックだった。
自分が小さく叫んだのが聞こえた。えらく覚醒している自分と
取り乱している自分がいる。

続く

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